鳥甲山写真の第一人者と言っても過言ではなかろう当会会長に声を掛けると、じゃあちょっと撮影に行ってみようかと。お互いいい具合に焼けることを期待しつつ。
明るくなる頃には好展望の箇所に抜ける算段でいたが、アプローチで穴に落ちて這い上がったり、壁のようなデブリを越えたりで時間が過ぎる。尾根に上がるも重雪のすねラッセルでペース上がらず。
じきに夜が明けて赤嵓、白嵓が柔らかく染まり始めるもまだ樹林帯。少々残念な気もしたが、写真家によれば今日など空気も春のぼんやり加減、焼け具合にしても特に面白みもない程度とのこと。やはり厳冬期の大量降雪直後、澄み切った空気に低く硬い光が差す時が狙い目だと。危ないではないか。
登るにつれ時折ワッフ音的なものを耳にする。音のした方を見てももちろん何か目につくわけでもなく、幻聴を聞くほど気が張っているのかと思うが、そのうち頻繁にワフワフ言い出す。さらにワフワフワッフと連鎖するようになり、凹凸に富む斜面の凸部だけを進むようにする。
1900m程度まで上がると、吹きさらしの箇所にスキーのトレースが残る。数日前に物好きが来ていたらしい。
稜線に出て山頂直下まで進むも、その先は細い雪稜にクラックが入っており、無理せずそこで終了。ここまで約5時間。快晴微風、暖かな日差しを浴びつつのんびり。日蔭山を目指すKK、仕事中のSHと無線交信しながら初めての展望を満喫。
下りは湿った新雪が重く腐り、春の風情。急傾斜部では足元から湿雪雪崩が頻発。仕方ないので気持ち良さげな凹地状に入るのを堪えてほぼ上りのトレースに沿って下山。
右手に赤嵓方面。
左手に白嵓方面を眺めつつ。
滑るに気持ち良さげな斜面も。
山頂直下。
赤嵓の向こうに小松原から日蔭山、奥に三山、巻機。
岩菅山。
白沢の奥に苗場と小松原。
苗場山から黒倉山あたりまではもともと同じ山体だったが、崩落や硫黄川の侵食により現在のような神楽ヶ峰や日蔭山を含む円弧状の稜線が残ったという考察を何かで読んだ。たしかにこちらから見てみると、苗場と小松原の緩やかな傾斜を空中に伸ばせば、のっぺりとした一つの山がなんとなく想像される。
山頂台地の積雪は特に多いというわけではなさそう。
対岸より今回の行程を振り返る。
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