日本列島に寒波が来、越後の山里は白一色。ついに我々の季節がやってきた。
明らかに大荒れの今日、遠く埼玉に越してしまった「U」夫婦を迎え、吹雪の十日町を後にする。
鍋倉の麓「温井」集落の道路の雪壁は、既に1mを超えている。先にトレースはなく、今日の激ラッセルが決まる。
林道を行くと見慣れた鍋倉の峰が出迎えてくれた。小さな木々はまだ隠れてはいないが、シーズン幕開けには十分な景色だ。
ひたすらラッセルを続けるU旦那の背が笑っていると、U妻。
新しい職場での苦労、埼玉という地での見えないストレスがあるのかなぁ。
時間はどんどん過ぎ、いつもの沢の出合に。左岸を登っていくが、斜面の傾斜をとりたくてもスキーのトップが雪面から出ず、ただトラバースが続くばかり。
大きなブナの下で本日終了。
自分たちの付けたトレースを忠実にたどり戻る。
友は遠くに去ってしまったが、心はお互いの胸にしっかり残っていた。
別れの言葉を交わし、雪が降りしきりる山里を後に車のテールランプが光っていた。