2015/06/16

2015.6-13-14 安全登山教室

メンバー:MO、SI、TH、UT、IH、KK 他県連各会多数

今年もまた夏山シーズン前に、県連主催の安全登山教室に参加してきた。昨年同様プロガイドの安村さんを招き、「新発田:婦人の家」での緊急時の対応(テーピング、ザック搬送および机上学習)、内ノ倉杉滝岩でのロープワークなどを中心に、充実した二日間を過ごすことが出来た。

夜の交流会では、久しぶりの県連先輩方、若い仲間と話をすることができてた。何かと刺激になる話題に終始し、夜もすっかり更けていった。更に、いつものことであるが、食卓に並んだたくさんの料理はどれも美味しく、女性会員、新潟のI先輩には本当に頭の下がる思いです。そして、地元阿賀のMさんは、会場の設定に毎年尽力して頂き、感謝、感謝です。





内ノ倉杉滝岩













講師による懸垂下降













たくさんの会員が参加してくれました












会場を婦人の家に移して













名前が時代を物語る











会員による夕餉の準備
食材持ち寄り
いつもながとても美味しくいただきました










期待の新人THさん
初岩です










安村さん
ありがとうございました

2015/06/08

2015.6.7 水無川猿岩岩トレ

メンバー:SI、KK

一年ぶりの猿岩。システムを忘れてもたもたした。初のマルチピッチ、といっても2ピッチで終了。しかし高度感はさすがで、道路を跨いだ沢の水の飛沫が白い。木々の緑によく映える。兎に角毛虫がひどく、岩場までのアプローチにはびっしり、岩にもうようよいた。毛虫に驚いてホールドを掴み損ねる心配をした。毛虫が核心だった。 (SI)







正面のいつもの壁











とりあえず中間まで











ザイルいっぱい
20mの懸垂下降












水無川の流れ










斜めに走るクラックまで












猿岩全景
かつて、みちぐさのOさんら先輩たちが開拓した岩場だ










越後駒ケ岳全景
帰り、Oさん宅に寄り、コーヒーとバームクーヘンを頂いた
素敵な家であった







2015/06/01

2015.5.9-10 浅草岳

かれこれ5年ほど前から毎年訪れている新緑期の浅草岳。飽きることなく通う理由の筆頭は、この時期のここ以上にうまい酒を味わえる場所を、いまだ知らないことであろう。
5月のからりとした空気が残雪を昇華させ、芽吹いたばかりの若葉の蒸散を促し、そよ風はしっとりと湿り気を帯びる。初夏の陽射しのもとを軽やかで涼しい空気が流れていく。沼の平の水面をわたる風には一層のやわらかさが加えられる。雪面の照り返しに細めた目で、頭上の若葉を透かし見る。口にする酒は飲んだそばから発汗とともに大気中に消え去る。酒気はあたりに微かな香りを漂わせ、春霞の一部となる。どれだけ酒があっても足りることはない。半覚醒と酩酊の間を行き来しつつ、ブナの芽鱗が積もる雪面を徘徊し続ける。
 
とは言え現実的に、残雪と新緑の最高のタイミングを捉えるのは簡単なことではない。ブナの芽吹きも残雪の多寡も、その年の降雪や気温の傾向に左右される。そろそろ芽吹きも頃合いだろうと向かってみたもののほとんど芽が開いていなかったり、逆に葉が開き切って青々としすぎていることもある。おそらくここでは標高700から1300mあたりが新緑を愛でるのに適した立地であり、その標高差600mほどを芽吹きの旬が通りすぎるのは1週間程度と予想する。大体の時期に行ってみればどこかしらで好適な条件に当たることもできるだろうが、天候や休日を考慮するとそれも少々簡単ではなくなってくる。
そこで日々の天気観察のみならず、気象庁のアメダスデータから積算温度などを計算してみたりもする。過去の芽吹きと積算温度との相関を把握しようとするも、やはりそれほど単純に捉えられるものではない。今年2015年は山の稜線の消雪が極端に早く、そしてブナの芽吹きもいつになく足早で、ここ数年の状況と比較すると10日から2週間は新緑が前倒しとなった。ここで積算温度を算出してみると、確かに2015年はここ数年の中では特に高い方ではあるが、昨年2014年はさらに高い数値となる。積算温度だけで見た季節の進み具合は、2014年は2015年より数日は早いと読み取れる。その2014年には今年より1週ほど遅い17日頃にこの辺りを歩いてみたが、芽吹き具合は今年の9日頃よりいくらか遅い様子であった。気温だけ見ていると今年2015年は2014年より数日進みが遅いが、芽吹き具合は10日ほど早かったというところか。
 
今年の芽吹きの早さを考えるに、また一つ思い当たることが出てくる。4月下旬頃から山スキーの際に、黒くどろどろした粘着物が滑走面にこびりつくことが度々あった。それは板の滑りを極端に悪くさせ、時には急ブレーキがかかり顔面から雪面に突っ込んだことも。あまりに滑らないためにシールを付けずにそれなりの斜面を登り切れてしまったりもした。これまでにない経験だった。原因については諸説あり、ブナのヤニ説や大気汚染物質説など。とにかくこんなのは初めてだと皆が口をそろえた。
大気汚染物質というのも昨今の海外事情からなんとなく腑に落ちそうな気もするが、今年から極端にその量が増えたというのは今ひとつ説得力に乏しい。ブナのヤニ説となると、今年の芽吹きの早さが、いつにない早期のヤニ放出とその滑走面への付着として説明できそうではある。だがそれだけでは足りない。残雪の森を歩いていて目につくのが、雪面を茶色く覆うブナの落下物の被覆率と層の厚さ。雪面の白より落下物の茶色の方が多いくらい。新芽を覆っていた芽鱗が大量に散っているのは毎年のことながら、今年はブナの花がとても多いように見える。風に寄せ集められてところどころ花の小塊ができている。今年はブナの実が結構な豊作だという話も耳にしている。
となると、スキー滑走面への粘着物付着は、例年より大量のヤニやら花粉やらが、例年よりかなり早い芽吹きとともに飛散し、それが山スキーの盛期と重なったために顕著に発生したというところか。5月初旬であっても、ブナ帯より標高の高い山域では粘着物に見舞われなかったのも、その裏付けとなるだろうか。
 
などということを酒に浸りつつ考えたろうか。酩酊の間に眼の焦点の合う時間もあったのか。半日以上眠りの中にいたようにも思える。雪山三昧の数ヶ月のくたびれがこの怠惰と愚考の無為を欲するのかもしれない。気づけば全ての酒は絶え、日は傾きつつある。