2016/08/29

2016.8.28 佐梨川道行沢小倉沢

メンバー:MW KK
コース   :駒の湯~小倉山~小倉尾根
タイム :入渓点6:50~明神尾根14:35~小倉山15:15~駒の湯17:00

年一度の県連沢登り交流会。前日の雨で中止かと思われたが、前夜の親睦会の効果か空は晴れ渡り沢登り日和となった。いつか行ってみたいと思っていた小倉沢。「上信越の谷100」には初心者向き、登れる滝が少ないと書かれていたが増水と高巻にはまり苦行の山行となった。さらに別コースのハイク部隊も途中で引き返し、SIパーテイーは下山口で待ち続けるはめになった。

大湯の駐車場には、前夜泊の諸先輩方が既に準備を始めていた。県連の要職を降ろしてもらったので参加も気が楽である。みちぐさのMさんの挨拶の後駒の湯に移動。藪っぽい林道を進み、入渓地点に。水が多い。普段は沢をそのまま歩けるらしいが、先日の雨の影響か、かなりの増水。渡渉を繰り返すこと数え切れず、やっとで道行沢との二又に到着。

ゴルジュ帯に入り、登れないと言われる滝に出会う。いよいよ高巻である。高度はどんどん上がり、藪を漕ぐ。いったいどの位巻いたかと思われる地点で細尾根に。潅木を掴みながら下降すると滝の落ち口に着いた。地図で照らし合わせてみると、一気に核心部を巻いたことになっていた。 

その後はまた大石を越えるような渓相へ。次に出会った滝は普段直接登れるらしいが、水圧が強く、我々5人が巻に入る。しかし、下降点を見いだせず、どんどん深見はまってしまう。シャワークライミングした仲間は下で応援を送るが、こちらは必死。MWさんの絶叫がこだまする。

イタドリが覆いかぶさる沢を詰めていけば、ようやく登山道に到着。計画から遅れること3時間。疲れました。下山は小倉尾根。3月単独で登ったお蔭で、地形をよく覚えており、またWさんと募る話しで盛り上がったのか、遠いと感じないまま駒の湯に着いた。何かと教訓が多い山行であった。






カヤを掻き分けて













心配するくらいある水量














渡渉を繰り返すこと数え切れず











ゴルジュ帯に入り登れない滝












藪トラバース
私は一向に気になりません











大高巻きを終え、下方を見るとみちぐさ隊が見えて喜ぶ面々












高度上ると守門や檜が見えた











登山道にやっと出た












急な小倉尾根





2016/08/22

2016.8.13-16 新穂高~高天原温泉~高瀬ダム

 
メンバー: MO
 
コース : 8/13  新穂高~小池新道~双六キャンプ場
        8/14  双六キャンプ場~双六岳~三俣蓮華岳~黒部源流~
            高天原山荘
       8/15   高天原山荘~岩苔乗越~水晶小屋~野口五郎小屋
       8/16   野口五郎小屋~烏帽子小屋~高瀬ダム
       
 
 上ノ廊下から入渓する清津のTさんと、歩いてしか行けない温泉のひとつ高天原で待ち合わせ。お盆休みでテント場も小屋も混んでいそうだ。新穂高から軽快にスタート。

賑わう双六のテン場

本日の我が家
初めてツエルトを張ってみた。高さと出入り口が不便だが狭さは我慢できそう。
 
笠ヶ岳
 
双六岳台地からは絶景が広がる。三度目にして双六岳のピークも踏んだ。
 
三俣蓮華のカールと槍ヶ岳

鷲羽岳と三俣山荘

ここから先のルートはSHさんとSIさんの勧めで黒部源流から岩苔乗越へ。お天気で日差しが強かったが、お花と沢から吹く心地よい風が涼しく、途中、彩雲にも出会いなんだかいいことがありそうだった。岩苔乗越から高天原へはだんだんと人気も少なくなった。いよいよ北アルプス最奥部に足を踏み入れる。


黒部川水源地標




この木なんの木、気になる、気になる♪


彩雲

鳳凰みたいな雲


 
待望の高天原山荘に到着!Tさんはすでに到着していた。早速、日本一遠い温泉へ。 沢沿いに男湯、女湯、混浴と三つの露天風呂があり、私は女湯のからまつ美人の湯へ。白濁した湯がここまでの長旅を癒してくれた。

高天原山荘

 

日本一遠い温泉、高天原

からまつ美人の湯

 天気が崩れるので水晶岳には登らずに岩苔乗越へ引き返すことにした。乗越の手前でザックに花冠を付けたカップルに出会う。新婚旅行中で雲ノ平でウエディングドレスを着て撮影をしてきたそうで、山荘と青空と幸せそうなお二人の姿が微笑ましかった。とうとう雨が降り出した。ワリモの北分岐からは風も強くなりなかなか足が進まない。絶景もガスの中。見えない景色をTさんがガイドしてくれた。野口五郎小屋に着く頃には靴の中がビショビショだった。早めに予定を切り上げここで宿泊、ちょっぴり安心する。グローブを外すと指先は真っ青だった。小屋で新聞紙を分けていただいて靴を乾かした。暫くすると不思議なほどの青空。


水晶小屋
天気が悪くこの日はほとんど写真がない

野口五郎小屋

最終日、満天の星。前日の天気が嘘のよう。やっと裏銀座を空中散歩。水晶、薬師、立山、赤牛岳、白馬などなど、そして烏帽子岳が遠くに見え始めた。嬉しかった。前回、五色ヶ原から見えた烏帽子岳がかっこよかった。近くで見たい!そのための縦走だった。



遠くに烏帽子岳



 
昨日あのまま烏帽子小屋を目指していたら、今日のこの景色は見られなかっただろう。アクシデントも終わってみればラッキーだった。後は核心のブナ立尾根を下るだけ。さて、次は何処へ登ろう。




2016/08/21

2016.8.11-15 大井川東俣(池ノ沢下降)~間ノ岳~北岳

コース:奈良田~大門沢~広河内岳~池ノ沢池(8/11泊)~
   大井川東俣(8/12泊)~二又(8/13泊)~農鳥沢~
   間ノ岳~北岳山荘(8/14泊)~北岳~広河原

池ノ沢池全景
南アルプスへ向かおうと思い立つも土地勘なく勝手分からず。某小屋番に静かで長く歩けるルートはないかと問うたところ、このコースを提案してきた。これまで某小屋番の話に乗って痛い思いをしたことは枚挙に暇がないが、南アルプスの最奥を辿る本ルートはなかなか魅力的であり、問題となる箇所も特になし。初日の広河内岳越えが長く標高差も大きいものの、以降はゆっくりと時間を掛けて大井川源流を味わう方向。

奈良田からの大門沢の登りでは、下山してくる登山者、特に学生の山岳部と思しき若者たちと多くすれ違う。自分はなぜビールをはじめとした酒類を後生大事に背負っているのだろうという疑問を振り払いつつ、這々の体で大門沢の下降点へ。南方の塩見岳や悪沢岳を眺めつつ広河内岳に至り、そこで大休止。あまりにくたびれたので視野の中にいるであろう某小屋番に苦情のメールを送信。あるいは苦情の文面を装った、久方振りの充実感の表明とでもいうか。
池ノ沢源頭のがれ場とハイマツ帯を過ぎると、矮性のダケカンバと草本の林床からなる明るく開放的な谷筋に至る。さらに下れば左岸から冷たい水が染み出す。水流の周辺には苔が繁茂。ここまで登山道を2000m登り、枯れた沢形を下り続けてきた身には、美味いことこの上なく、飲むごとに全身に水分が行き渡るのが分かる。

その少し下流で伏流していた水が突如沢筋として顕在化し、池ノ沢の始まりとなる。さらに下れば谷は広がり傾斜は緩み、木立の向こうに穏やかな水面が見えてくる。
2014年10月号の岳人誌で、池ノ沢池を服部氏が紹介しているが、そこで使われている池の写真は取材時ではなく10年以上前のもの。彼によれば池はずいぶんと土砂に埋まって雰囲気が変わってしまい、往時の美しさも影を潜めており拍子抜けしたとのこと。彼にとっての池ノ沢の池は当時のものだということを暗に示すため、あえて昔の写真を採用したのだろう。絶えず地形は変化するが、現在はこの池が埋まりなくなる過程を見ているのかもしれない。

池ノ沢源頭のがれ場



※360°パノラマは全画面表示を推奨

ハイマツ帯をいくつか過ぎるとダケカンバの疎林。


斜面から染み出す水がうまい。




止水なので水温はぬるめかと思ったが、沢水と同じくらい冷たい。本流の伏流水が染み出しているのと枝沢の流入のためか。裸足で入ると足が痛い。


池より下流の池ノ沢は徐々に荒れ出し、倒木や斜面崩壊により踏跡も度々途絶える。やがて傾斜が緩み広い段丘に入ると池ノ沢小屋。中はかなり薄暗いが、意外に整備されており屋内も小ぎれいな印象。
ようやく大井川東俣。広い河原とおだやかな河岸段丘の中を流れ、いかにも南アルプスといった印象。索道跡や廃ワイヤーはずっと奥まで残っており、これまた南アルプス的。試しに滝ノ沢に入ってみると、急激に標高を上げた先に立派な滝。東俣本流の魚止ノ滝より数段見栄えがする。

池の下流の倒木地帯

池ノ沢小屋
d
小屋内部。実際はもっと暗い。


東俣本流


滝ノ沢のF1





徐々に傾斜を増す東俣は魚止ノ滝を越えると再び平坦になり、泊まり心地の良さそうな河岸段丘がしばらく続く。疎らな木立とイチゴなどの草に覆われた段丘はここで寝てくれと言わんばかりだが、なんとか我慢して予定の奥の二又へ進む。この辺りからイワナの魚影を多く見かける。適度な深さの淵が連続するためか。
倒木地帯を越え、イワナの姿も見えなくなった頃、三国沢と農鳥沢の二又に。頭上は大きく開け、三国沢の先には間ノ岳も。多くはない平坦箇所を幕場とし、昼からアイラモルトをちびちびと。流星群撮影の段取りを練るも、この日も夜は曇天。

魚止めの少し下



魚止ノ滝




滝の上流。すばらしい宿になりそう。


倒木地帯

二又が見えてくる


朝の二又。


農鳥沢に入り、水が枯れ、少しの藪をこぐと開けたモレーン状。トラバース道に出ようとしたが、どうも地形図と道の位置が違うような感じ。急斜面を適当に這い上がり登山道へ。
間ノ岳から大井川源流の山と谷を眺め、あとは広河原の生ビールを目指して歩くのみ。




農鳥岳方面

八本歯のコル方面

間ノ岳方面