2017/05/29

2017.5.29 清津峡(番外)

メンバー:TM KK
コース   :八木沢~清津峡温泉
タイム   :八木沢6:15~鹿飛橋7:40~足尾沢10:15~日向ノ肩12:35   ~清津峡温泉14:50

あっという間に雪を巡る我々の季節が終わってしまい、そして、あっという間に草を巡る我々の季節がやってきた。。今日は清津峡登山道支障木伐採に行ってきた。この時期いったい清津峡はどうなっているのか期待と不安が入りまじり、どうか熊に会いませんようにと祈って出発した。

鹿飛橋の欄干はまだ設置されておらず、眼下の渓谷が丸見えで怖い。近年登山道は荒れ、一部道型が消えている箇所があり、足元注意である。高石沢を過ぎ、中ノ沢にさしかかる。お~!何という雪渓!下部は崩壊している。危険!脇をそろそろと下降する。振り向くと微妙なバランスでブリッジがかかっていた。

足尾沢の出合で昼食をとり、日向ノ肩の急登を駆け上がる。汗がだくだく垂れ、疲れが増す。日向ノ肩からは、渓谷の彼方に平標山、仙ノ倉山、万太郎山の稜線が見える。残雪が輪郭をはっきりさせている。夏には見ることができない景色である。

延々歩き続けて9時間。やっと清津峡温泉に辿り着いた。疲れた。次回は真夏の7月だ。




八木沢から鹿飛橋間
新緑が気持ちいい







鹿飛橋
いよいよスタート







深い渓谷の彼方に満寿山








中ノ沢の雪渓








大量の雪が残っていた








足尾沢到着








橋の下で昼食
河原はかなり侵食されている







満寿山の岸壁






日向ノ肩から谷川方面
平標山~万太郎山
いつのも東谷山、日白山も見える








足尾沢出合を見下ろす
手前の急登を登る

2017/05/16

2017.5.3-5 黒部源流(北ノ俣・黒部五郎・三俣蓮華)

6年ぶりの春の黒部へ。和佐府、飛越トンネルからの往復で赤木平にBC。好天続きのせいかずいぶんと入山者が多い。ライチョウもその辺をちょろちょろ。
気温は高く風も穏やか。炊事も朝日夕日を眺めつつテントの外で。
なにやら平和すぎて弛緩した時が過ぎる。

【5/3】
7:20 和佐府・林道歩き 9:05 飛越トンネル 11:30寺地山
13:00 避難小屋付近  14:55 北ノ俣岳 15:45 赤木平・BC

寺地山を過ぎて先に北ノ俣岳。

白いのが2羽。

 北ノ俣岳からこの日唯一の滑り。

【5/4】
6:35 BC発 8:35 黒部五郎の肩・カール・五郎沢滑走
9:40 黒部川本流出合 10:40 標高2350m・左岸登高
12:10 三俣蓮華岳 12:55 五郎小舎 15:15 黒部五郎岳 17:10 BC

中日は丸一日を山で過ごせる。黒部源流を経て三俣蓮華まで足を伸ばし、来年以降のためにも積雪期の幕場等を確認。
帰路、北ノ俣岳の直下までまわって天気予報を確認。6日が悪天予報。5日の下山を決定。




五郎の肩からカール内を見下ろす。
数日前の新雪が広範囲で雪崩れている。

肩からカールを滑り、多くのトレースが五郎の小舎へ向かうのを横目にしつつ、そのまま五郎沢へ。

黒部川・五郎沢出合付近。
源流の水がうまい。平坦地にエスパースが一張。


源流の奥に鷲羽が見えてくる。

源流左岸の台地上にはテントがいくつも。

 鷲羽、ワリモの先に水晶。

双六・槍方面。

 黒部五郎小舎。
三俣蓮華からの斜面の中ではこの直上のが最高。

黒部五郎からウマ沢を見下ろす。




明るい月が黒部の残雪を照らす。


【5/5】
(薬師沢左俣・赤木平等) 9:00 BC発 10:00 北ノ俣岳
11:20 寺地山 13:15 飛越トンネル 14:45和佐府

朝一で薬師沢左俣を下り、赤木平を散策。
名残惜しくはあるが、和佐府へ向け下山。




左俣の向こうに薬師。


2017/05/15

2019.4.30 火打山

6:00 笹ヶ峰 6:45 黒沢 7:45 黒沢池 8:30 茶臼山
8:40-9:00 高谷池ヒュッテ 9:55 火打山・澄川源頭2050mまで
11:30 火打山 11:55 影火打コル・南面滑走 12:45 台地末端
14:15 笹ヶ峰

好天の4月末日。笹ヶ峰から大賑わいの火打山へ。影火打の南面にも多くのシュプール。
そうした中で黒沢池の静けさは秀逸。次は泊まりでこの雪原へ。

黒沢を詰めて振り返ると乙妻・高妻。

黒沢池の雪原。

外輪山の向こうに妙高。



澄川源頭をちょろっと。

影火打の南面へ。



惣兵エ落谷出合。

2017/05/07

2017.05.04~06 柳又谷源頭・雪倉岳

【メンバー】
 TS、SI

【コースタイム】
初日
 0930 栂池高原スキー場
 1020 天狗原
 1110 白馬大池
 1240 船越ノ頭
 1330 小蓮華山
 1510 三国境
 1630 白馬岳
 1700 白馬山荘

二日目
 0720 白馬山荘
 0830 鉢ヶ岳鞍部
 1030 雪倉岳
 1200 瀬戸川渡渉
 1300 蓮華温泉

三日目
 0610 蓮華温泉
 0900 天狗原
 0940 栂池高原スキー場
 0950 下山完了


【ルート概要】
 初日   : 栂池高原スキー場 → 小蓮華山 → 白馬岳(白馬山荘)
 二日目 : 白馬山荘 → 柳又谷源頭 → 雪倉岳 → 蓮華温泉
 三日目 : 蓮華温泉 → 振子沢 → 栂池高原スキー場


待ちに待ったGWの山旅。
今回はSIさん(非会員)と一緒に北アルプスへ。
目的は山スキーのクラシックルートとして昔から滑られている
柳又谷(やなぎまたたん)と雪倉岳をつなぐルートである。
ちなみに谷のことを「たん」と呼ぶのは富山の方言であり、
剱岳の「長次郎谷」や「平蔵谷」は有名である。

元々の計画では猿倉から白馬大雪渓を登るつもりであったが、
4月末に大雪渓での雪崩によって不明者が出たばかりだし、
当日の天気予報を見ても気温が高いようであったので、
栂池から小蓮華山を経て白馬岳へ至るルートへと計画を変更した。
また、出発地が猿倉であれば船越ノ頭周辺から
金山沢を滑って馬蹄形縦走できるが、
栂池に戻る必要があることから金山沢の滑降もナシ。
来シーズンの課題にしよう。

さて、初日。
栂池高原スキー場につくとBCスキーヤーだけでなく、
まだまだ滑り足りないスキーヤーやボーダーで賑わっている。
山頂までの片道切符を買い、ゴンドラとリフトを乗り継いで山頂駅へ。
「ゲレンデの雪がほとんどないので、下山は大変かもしれません。」
「往復券を買うことをお勧めします。」
とリフト券売り場の方に言われるが、
雪が少ないだけならどうにでもなるっしょ!とリフトに乗り込む。
スキー場上部から天狗原へ登ると大雪原が広がっていーい景色!
純白の雪原が青空に映えるね!

天狗原から白馬乗鞍岳へ直登

白馬乗鞍岳のピークを踏み、雪で完全に覆われた白馬大池の脇を通り抜け、船越ノ頭から小蓮華山を目指す。

この後、十数回も板を担ぐ羽目になるとは
知る由もないのであった

人の歩いている所が白馬大池の真上

雪庇が崩れてアッカンベー

船越ノ頭から小蓮華山や白馬三山を望む
大雪渓には杓子岳から幾筋もの雪崩跡が

三国境から白馬岳へ続く稜線を仰ぐと、
大きな6連のピークがこれでもか!と続いており精神的に萎える。
雪が途切れ途切れなのでかなり頻繁に
スキーを履いたり脱いだりしなければならず、
一つ一つの登りもエグかったので結構疲れてしまった。
初日は白馬山荘に宿泊。

杓子と鑓


おいしい夕食に舌鼓を打ち、ビールを飲みながら談笑も弾む。
テレビではバラエティー番組が流れており、
ストーブの焚かれた館内はとても暖かくて快適だった。

二日目。
朝食のために起きた5:30頃はすっきりとした青空が広がっていたのだが、
放射冷却と強風のために雪面はガチガチの状態。
雪が緩むまでしばらく待っていたら、瞬く間に雲が高度を下げてきて、
辺り一帯はすっかり白い世界になってしまった。
さっきまで見えていた杓子岳や鑓ヶ岳はおろか、
すぐ目前にある旭岳さえ見えなくなる始末。
「あ~あ…、さっさと出発するべきだったか」
しかし、滑降していく柳又谷源頭はかろうじて視界を保っており、
急いで山荘を出発する。
柳又谷源頭
白馬山荘から旭岳へのコルへと降り、北斜面(柳又谷源頭)を見下ろす。
「おおお!日本離れしたすげぇスケールの大斜面だ!」
「雪は固いが行くしかない!」

底まで滑っていきたくなる

雪質はお世辞にも良い状態とは言えないが、
素晴らしい景色を堪能しながら鉢ヶ岳目指して滑っていく。
調子に乗って高度を下げすぎると登り返しで苦労するので、
トラバース気味に移動して三国境と鉢ヶ岳のコルを乗っ越す。
振り返ると、白馬岳山頂や朝日岳付近は雪煙のような白いガスが
猛烈な勢いで吹き荒れており、
早めに出てきてよかったと胸をなでおろした。

そこからは鉢ヶ岳の東面を大トラバースして雪倉岳を目指すが、
稜線上の雪庇が崩壊して発生した大きな雪崩跡があってビビる。
序盤のうちにできるだけ大きく登り、
トラバース気味に一気に滑り降りて通過した。
雪倉岳への稜線歩きは雪が途切れているのでスキーを担ぐ。
空も徐々に明るさを取り戻してきた。

雄大なり、雪倉岳

ハイマツから飛び出してきたライチョウが何度も振り返りながら
我々を先導してくれたおかげで楽しく登ることができた。
今回の旅では10羽以上のライチョウを見かけたが、
みんな人間を恐れていないのか、すぐ近くまで寄ってきては
テクテク歩く愛嬌のある姿を見せてくれた。

ハイマツからひょいと飛び出してきた

かわええの~

まるまると太った可愛いフォルムを見ると、
思わず両手でわしっと抱きかかえたい衝動に駆られるが、
ガマンガマン…

雪倉岳への登り
写真中央奥のコル(柳又谷源頭)から
約3時間弱でここまで来た

雪倉岳山頂に着くと、ついに朝日岳と日本海が姿を現す。
空は快晴!360度の大展望!
う~ん、素晴らしい…そして美しい!
蓮華温泉から登ってきたスキーヤーたちも一堂に会して
山頂はにぎやかだ。
さて、ここからは本日のハイライト。
雪倉岳東面の大斜面へ落ちていくのだ!

遥か下に登ってくる人が二人

右上にSIさん
なんて広い斜面だ!

空は晴れ渡り、遮るもののない大展望、
そしてどこまでも続く甘美なスロープ。
山スキーヤー冥利に尽きるってもんです。
あぁ、生きててよかった!

瀬戸川に向けてひたすら滑っていく

うーん、マンダム!

下部で現れる雪倉ノ滝は直前で東方向にある
小さな尾根を乗っ越すことでクリア。
雪の少ない年は渡渉に苦労するらしい瀬戸川も、
今年はたっぷりと雪が残っていたおかげで簡単にわたることができた。

巨岩がゴロゴロしているので雪がなければ
渡渉はかなりキツそうだ

沢の下部は所々クラックが入って危ないので、
慎重に下りていく必要あり。
滑り終わって振り返ると、まるで雪崩の巣のような
なかなかエグい沢だなという印象を受けた。
そこからは明るい森の中をひたすらトラバースしていく。
もう疲れた~、トラバース飽きた~などと愚痴りたくなるころ、
ようやく蓮華温泉が見えてきた。

山スキーヤーのオアシスに到着

朝は遅めの7:20に出てきたのに、
13:00には行動を終えることができて安堵。
真っ昼間からカレーとビールを楽しみ、温泉で汗を流してさっぱり。
蓮華温泉が多くの登山者から愛される理由が、よ~くわかりました。
その後もおだやかな陽気が降り注ぐ部屋で昼寝をしたり、
朝日岳を見上げながらビールを飲んだりして
思い思いの時間を楽しんだ。

三日目。
この日は昼から大荒れの予報で、
気温も高いために高い山でも雨が降るという予報。
予報によると12時くらいから降り始めるということであったが、
小屋を出た6時からすでに叩きつけるような
強い雨が降っていてゲンナリ…
蓮華温泉から天狗原へは夏道ではなく、
振子沢という傾斜の緩い沢を詰めていくのがこの時期のメジャールート。
強い雨が降ったと思ったら急に青空が広がったりして、
目まぐるしく天候が変わっていく中、複雑な地形を呈する沢を登る。

大きく蛇行する振子沢下部を登る

上部に行くにしたがって広くなっていくが、
ところどころに赤布が着けられているので迷うことはなかった。
いよいよ天狗原への最後の登り差し掛かったころ、
バチバチバチッ!と強烈な氷雨が全身を激しくたたき始めた。

振子沢上部はだだっ広い台地状
傾斜の緩いところをつないで登る

目を細めながらなにくそと登り続け、
ようやくだだっ広い天狗原に到着するも、視界不良で達成感皆無。
コンパスとGPSで方角を確認してスキー場へと下った。

スキー場ではなおも冷たい雨が降っていたが、
アメニモマケズ、たくさんのスキーヤーがすべっていてびっくり。
ゲレンデ下部の雪は完全に消えていると思っていたが、
スキー場が人工雪を降らせてくれていた(?)のかはわからないが、
人ひとり分がかろうじて滑ることのできる雪道が細く長く続いている。

雪の回廊で一気に下山!

雪の回廊はゴンドラ中腹駅までで終わっていたが
ゴンドラに乗らないと下山できないのか?
やべー、下り分のチケットは買ってなかったなと思ったが、
リフト乗り場の係員に聞くと
下山のゴンドラは無料で乗せてくれるようだ。
おお!なんとありがたき忖度!
無事下山完了して車に道具を積み終わった時、
待っていたかのように豪雨が降り始めた。


最終日こそ悪天候に終わったが、初日と二日目は天気にも恵まれ、
トータルで見れば大成功の山旅であった。
今回歩いたルートの周辺にはまだまだ素晴らしい斜面が
たくさんあり、北アルプスの懐の広さを思い知らされた。
これからも安全第一で楽しみたいと思います。
急な誘いにもかかわらず同行してくれたSIさん、
本当にありがとうございました。