2017/04/24

2017.4.23 アオリ(郡界尾根)

メンバー:TI(みちぐさ) TM(みちぐさ) うーたんHさん KK

「郡界尾根」と心の中で復唱する。何ともいえない心地良い響きではないか。念願かない今日は郡界尾根アオリに行ってきた。

南魚沼郡と北魚沼郡を分ける郡界尾根は、越越駒ケ岳から派生する険しく、また魅力的な尾根だ。積雪期の縦走などバリエーションルートとして知られている。地図上のその中間地点「アオリ」には池塘のマークがあり、ずっとどんな場所なのか憧れと期待を抱き続けていたのである。

「雨」ザーザー降っている。テンションは最低へ。しかし、車で暫く待つと徐々に天気は回復してきた。スキーは止めた方が良いという忠告を素直に聞き入れ、何と今日は兼用靴藪漕ぎとなってしまった。取り付きのルンゼをボヨを掴みながら這い上がる。ウータン早い。

藪ピークに上がり、前方方向を見れば、遥か尾根は繋がり、黒々している。スキーを持ってこなくてよかった。藪を掻き分け、掻き分け歩みを進めれば、やっと雪を拾えるようになる。ぐんぐんとまではいかないが、徐々に目的地には近づいている。近づくにつれ佐梨川奥壁、駒ヶ岳、郡界尾根、振り返って未丈ヶ岳から魚沼の里山まで見渡せる。素晴らしい。この地に生まれてきて良かったと思った。

最後の藪を越えると雪原が広がった。雪は稜線まで繋がり、我々はついにアオリの尾根に上がった。興奮を抑えきれず叫んでしまった。目の前にブラック台地(地元通称)が大きな窪みを見せている。更に八海山がドーンではなく、ドワーンと目の前に!でっかい。ピークはもう少し先。崩れそうな雪塊を避け、ついに山頂に立つ。絶景とはこのことだろう。表現力がないのでうまく言えないが、「いい景色だ」。

時間は既に1時近くになっており、惜しい気持ちでいっぱいだったが、止む無く下山。振り返り、振り返り見上げる駒ヶ岳は青空にくっきりとその雄姿を見せていた。

郡界尾根と越後駒ヶ岳





まずは恐怖の林道トラバース







いざ行かん!
尾根に取り付く






尾根に上がる
挑戦が始まった







ウータンH
藪を掻き分けて進む






藪ランク「3級上」を抜けると雪が繋がったりするが






出そうで出ない駒ヶ岳








果てしなき山稜
良くここまできたもんだ






春山って感じ満載








「富永」
とある切り付け
感激





「手別尾根」
かつてTIさんはスキーを背負い、郡界尾根を越えて駒へ行ったそうだ
凄すぎ。





地元通称「ブラック台地」
雪の下に眠る池






ドッカンーン!
「八海山」







ピークは右
左はカネクリ山





ついにやりました
感無量!






下山途中から見たアオリ
また来たくなったのは俺だけだろうか



青空に栄える越後駒ヶ岳

延々10時間近くに及ぶ山行。
久し振りに歩きを満喫した。
仲間に誘ってもらい、思い描いていた場所に辿りついた光景を一生忘れることはないだろう。





















2017/04/19

2017.4.16 平ヶ岳

3:00戸倉ゲート(自転車) 3:40津奈木橋 4:35鳩待峠
(自転車デポ・スキー) 5:30山ノ鼻 6:20猫又川二俣・右俣へ
8:10大白沢山の西ピーク 9:10白沢山 10:15平ヶ岳 
10:50山頂から滑降 11:05白沢山手前コル 11:30白沢山
12:40大白沢山・右俣へ 13:30二俣 14:35山ノ鼻
15:50鳩待峠 16:10(自転車)下山開始 16:30戸倉ゲート

まあとにかくよく歩いた。山スキーというよりむしろ長距離スキー登山。静寂の尾瀬の山は期待通りの奥深さ。

3月に2泊で目指したものの悪天で断念した平ヶ岳。ラッセルの季節は過ぎてしまったが、まだ人気のない静かな時間は残されている。鳩待峠のライブカメラを確認すると林道の除雪はひとまず終わった模様。道路が開通して尾瀬が賑わう前に、もう一度平ヶ岳に向かってみる。

往復およそ50km程度か。まずは戸倉ゲートから鳩待峠までの10km強を自転車で。津奈木橋からは勾配がきつくなったのか慣れない自転車こぎに疲れたのか、押し歩きが多くなる。
鳩待峠で板を履き、少し下ってからは延々と歩きが続く。山ノ鼻を過ぎ、猫又川沿いに二俣まで。前回は左俣に入ったが今回は右俣へ。地形図を読む限りこちらの方が無難そうに見える。沢が東に向きを変える手前で尾根に取り付き、大白沢山の西のピーク付近へ。ようやく平ヶ岳が姿を現す。なかなか遠いように見えるが実際遠いのだろう。

広い稜線を黙々と。右手に会津の山、左手に奥利根を挟んで馴染みの山々。雪面には新しく浅いアイゼンの痕、つぼ足登山者がいる模様。白沢山の手前で当事者と行き違う。テント泊で平ヶ岳山頂を往復してきたとのこと。
雪庇の際を行く足跡があり、危ないものだと思いつつよくよく見るとそれは熊のもの。雪庇の切れ目を越えて谷を下っている。全くもって春である。
山頂手前で斜面はやや傾斜を増すが、シールがよく利いて直登。のっぺりと大きな平ヶ岳へ。強い風の吹く山頂で大休止。とは言え風向は南から。冬は既に過ぎてしまった。
越後三山・只見集成図を開けば無人地帯のど真ん中だろう。山頂付近の気象観測機器が目に入るものの、他には人造物も登山者も皆無。加えて豊富な残雪。白一色の春の山、これを喜ばずに何を喜べばよいのか。

ザラメの表面にフィルムクラスト。薄い氷を割り散らしつつ往路を滑る。とは言え滑降は白沢山手前のコルまでの短い区間。以降はシールを張り直して延々と歩きが続く。往路は巻いた大白沢山の山頂に登り、右俣に向けて最後の滑走。沢に入ってからは緩傾斜と腐った雪のため、ストックで押しつつ遅々としたペースで下る。
二俣から柳平を経て山ノ鼻に至り、さらに鳩待峠まで歩き続ける。山ノ鼻周辺にはスノーモービルとクロカンらしきトレースがあるものの、いずれも途中で引き返しており、鳩待峠までは続いていない。山ノ鼻に泊まり込みで山開きの準備をしている人がいるということか。だとすればうらやましい限り。

鳩待峠からは林道を自転車で。往路でさんざん苦労して1時間半かかった区間をわずか20分。積雪期のスキーでの下りより格段に早い。ここが登りの核心部にして下山の極楽区間か。

岳ヶ倉山方面

当然ながらイグルーの痕跡はない

ムジナ沢

右俣より至仏山

大白沢山

スタートから5時間、ようやく目標が

気分のいい稜線が続く

巻機山から小沢岳、下津川山

冬が去る寂しさと春の訪れの高揚

山頂直下の斜面

三山から灰ノ又、荒沢岳

平ヶ岳沢越しに越後三山

来た道と至仏山

燧、至仏

燧、景鶴



2017/04/18

2017.04.16 浅草岳・ムジナ沢

メンバー : SH、KK、TS

5:30 浅草山荘
9:00 嘉平与ポッチ
9:20 前岳
9:30 浅草岳山頂
9:50~10:20 前岳にて大休止
12:00 浅草山荘

4月中旬。
長岡では桜が満開になり、すっかり春一色。
とはいえ、我々山スキーヤーの旬はまだまだ終わらない。
むしろ、これからでないと行けない場所もたくさんあるので
心躍る季節でもある。

さあ、明日は天気も良いしどこに行こうかと思案していたところに
ちょうどKKさんから電話があり、
浅草岳に行かないかとのお誘いを頂いた。
渡りに船とはまさにこのこと。
行きます!と即答し、荷物の準備に取り掛かった。

翌日、道の駅いりひろせで待ち合わせして、
浅草山荘の駐車場脇から入山。
明るい森の中を登って行き、
しばらくいったところでムジナ沢へ下り立った。
沢は豊富な残雪によって埋め尽くされており、
なだらかで明るく開けた沢の中を楽しく談笑しながら登っていく。
振りかえると守門のとなりにある「黒姫」という名の
立派な山がそびえ立っており、登行意欲がかきたてられる。

ムジナ沢上部は木々がまばらに生える疎林帯となっており、
展望が開けた気持ちのいい斜面が広がっている。

源頭(ムジナ沢カッチ)の方へ登らず、
進路を左にそれて主稜線へ一気に登り詰めれば、
嘉平与ボッチと呼ばれるピークと前岳が目前に。

稜線上はそこそこ強い風が吹いており、
汗ばんだ体が冷やされて気持ちいい。
前岳を経由して目の前のピークに登れば浅草岳山頂に到着。
眼下に広がる田子倉湖もきれいだが、
六十里越えへ繋がる荒々しい稜線の造形もまた素晴らしい。
遠くには双耳峰が特徴的な尾瀬の燧ケ岳も見えた。


北面にはだだっ広い台地上の早坂尾根が見え、
いつか滑ってみたいと思った。


ムジナ沢カッチの下部にはこれまで登ってきた白い斜面が見える。
早く滑りたくてワクワクするぅ~!
ちなみに「ムジナ」とはアナグマのことだが、
タヌキやハクビシンもひとまとめにしてムジナと呼ぶこともある。
「カッチ」とはこの地方の方言で「沢の源頭」を指すようだ。


SHさんはさっそくひと滑りし、さらに登り返してもう一本。
滑らかなテレマークターンに「ヒュー!かっくいー!」と歓声が上がる。
テレマークビンディング & ステップソールの細板 & 革靴という装備は
春山スキーには最高の組み合わせだと思った。
山頂では強い風が吹いていたので、前岳の稜線から少し下ったところで
風をよけながらのんびり休憩。
青い空、涼しい風、眼下に広がる雄大な景色に談笑も弾む。
おだやかな春の山は最高!

下りでは15人近いスキーヤーたちを引き連れたガイドさんとすれ違う。
聞けばこの方はかつておだまきの会員だったようで、
SHさん、KKさんたちと立ち話で盛り上がっていた。
さあ、いよいよ滑降開始。
大勢の人が見守る中、SHさんはムジナ沢へ続く大斜面に飛び込んでいき、
ここぞとばかりにテレマークターンを見せつける。
居ても立ってもいられなくなり、自分も滑り出す。
この日、下界では20度を越す暑い日だったので雪質が心配だったが、
斜面の状態は悪くなく、中々楽しい滑りを堪能できた。
各自、思い思いのシュプールを描き、甘美な時間はあっという間に終了。


そこからは登ってきたトレースをたどってムジナ沢を下っていく。
雪に埋め尽くされた沢床はなめらかな凹凸を描いており、
浅草岳ならではの美しい景観を生み出している。

一気に下ってはもったいないと、何度も立ち止まって写真を撮ったり、
景色を目に焼き付けながら、少しずつ味わうように滑る。
うーん、残雪期のスキーはたまりませんな~。

最後は来た時と同じく、ムジナ沢から離れて浅草山荘の方へそれていく。
長く続くトラバースと暑すぎる日差しに汗が流れるも、
何とか山荘のすぐ近くに下りてくることができた。
下山後は広神まで移動して、おなじみのラーメン屋で腹を満たす。
「山でめいっぱい遊んで、下山後はラーメンなんて幸せ~」と
笑顔がこぼれた。
SHさん、KKさん、素敵な山にお誘いいただきありがとうございました。

2017/04/15

2017.4.15 阿寺山山スキー

メンバー:NI KK
タイム   :広堀4:55~坑口5:25~山頂7:55~広堀9:30

定年後をいかに有意義に過ごせるか、これからの大きな課題だ。NIさんの実践ぶりを参考にしようと思う。そんなわけで、午前中天気がもつというので阿寺山に行くことにした。

夜明け早く、5時には明るくなっている。広堀の橋からシール走行。スギの葉っぱは落ちているものの、黄砂による汚れは目立たない。坑口の脇から斜面に入るも、雪が多いので難なく登ることができる。雪が切れているかもしれないと思ったところも、辛うじてスキーの幅くらいで繋がっていた。

後は緩くなった傾斜を自由に。本日発使用のクトーを駆使してNIさんも快調だ。左手に八海山が雄姿を見せている。コースを右に取っていくと、巻機山山塊が真っ白に雪をまとっている。何だかうれしくなってくる。高度を上げるにつれ上越国境の山が姿を現す。下津川山~ネコブ~桑ノ木の銅倉尾根。丹後山~大水上山。素晴らしい眺めである。

山頂を巻気味に阿寺沢や尾根を偵察。今年は登ってこれるだろうか。そして最後は中ノ岳がドーンと姿を現す。オカメノゾキの向こうに越後駒ヶ岳。阿寺山はまさに魚沼の大展望台である。

ゆっくりしたいが、西の方から雲が流れてくるので、早々に下山することにした。雪はザラメ。最高のコンデションだ。オープンバーンが続き、二人の歓声だけが響いている。細尾根を通過中に単独の方。なんと津南のIさん、毎週山スキーに出かけているそうだ。話では、下に同行者がいるそうで、体調が悪く、引き返したそうだ。

細尾根を過ぎ、最後の斜面を滑りきれば、後は車で林道を滑るだけ。今日も良い山行ができた。橋のたもとには、津南Iさんの同行者が車で待っていた。なんとその方は、十日町のKさん。しばし近況などを広告しあう。近じかどこかでご一緒しましょうと別れる。

何だか時間も調度よくなり、久し振りに馴染みの店へ。開店前から人が並んだ。席に着き水を飲んでいると、おやまあ、巻機山に行ってきたTUとばったり。奇遇が続いた。




天気のいいうちに頑張ろう









ぎりぎり繋がっている







いよいよ峰が見えてきた







八海山が素晴らしい








高倉山は低くなった








巻機山~牛ヶ岳
大兜山低い!








下津川山~銅倉尾根
連休はここだ






丹後の稜線








三国川ダム
阿寺沢~滑ってみたい







中ノ岳
雪のあるうちに行けるだろうか







越後駒ヶ岳
賑わっているかなあ








山頂から







ザラメ最高!








急斜面






思わず叫んでしまいそうなバーンが続く








フィナーレが近い








「焦がし葱の背油しおラーメン」