北海道大雪山1～2日目

メンバー：TU　MW

9月17日（土）層雲峡～黒岳石室

待ちに待ちに待ちに待った夏休み。
朝いちばんの羽田発旭川行きの飛行機に乗り、あっっっという間に北海道に降り立つ。「はるばる来たぜ」という感慨を持つ間もなく、ちょっとうたた寝しているうちに。

旭川空港からほど近い所にモンベルショップができており、飛行機にガス缶を持ち込めない登山者や、忘れ物をした者にはありがたい存在。

雨の降る中、レンタカーを走らせて層雲峡へ向かう。天気が悪いせいか、連休初日というのに駐車している車は思ったより少ない。
ここで3泊分の荷物をパックし直し、出発する。ロープウェイ＋リフトで1500mまで上がってしまうので、黒岳山頂まで標高差400mちょっと。
大したことないはずが、やっぱりザックの重さが足にくる。小雨で蒸し暑く、ほぼ寝ずの状態だったのもあってかヒィコラ言いながら歩く。

黒岳山頂に着き、明日歩く方面を眺めていると、少しずつガスが切れてきた。ここでようやく「北海道に、大雪山に来たー！」と実感する。10年ほど前に訪れた時には広大な景色は全く見えない天候だったので、初めて来たような感覚。

黒岳山頂でガスが切れるのを待ってみる

 山頂から黒岳石室までの下りはわずか100mほどだが、足元の植物に日が射してきて鮮やかな色彩を放ち、頭上には青空が広がって、目を奪われるものばかりで小一時間かかったような気がする。

石室まで下る間の岩場には深紅に色付いたウラシマツツジ

青空が広がり始めて「ああきれいー！」ばかりで遅々として歩みは進まず

 この日の宿泊地。石室に泊まる人は20人くらいだったのかしら。テントは10張くらい。水は雨水をタンクに貯めているので煮沸して飲用した。初日であり、調理が必要で重い食材・生ものを使って豪勢な夕食とし、入山祝いのビールを飲んで早々に就寝。
ちなみにここのトイレはおがくずを使ったバイオトイレで、用足しの後、備え付けの自転車を漕いでおがくずを撹拌させます。臭いもなく、見た目も良く、とてもきれいに管理されています。

友好的な小屋番さんがいる黒岳石室

9月18日（日）黒岳石室～北鎮岳～裏旭岳キャンプ指定地

早朝、快晴の空には満月が輝いている。冷え込みが強く、霜柱ができている。

山頂からの日の出を見るため、石室から20分程で登れる桂月岳へ向かう。

雲海の彼方からのご来光。光と影で景色がどんどん変わっていく。なんという神々しさ！

桂月岳山頂からのご来光。

 一旦テントに戻り、朝食を摂った後で赤石川・北海沢までを往復。なだらかな斜面いっぱいにチングルマの綿毛が揺れていた。

チングルマの紅葉も鮮やか

赤石川渡渉点。濡らさないように慎重に…

北海沢の優しげな流れ

旭岳への縦走は、北鎮岳を経由するコースで。9：30頃にテント撤収し、出発。
右手に凌雲岳の端正な姿と「雲ノ平」と呼ばれる草原地帯を、左手に深く切れ込んだ赤石川の谷を見ながら歩いていくと、3万年以上前に形成されたという御鉢平カルデラが見えてくる。エゾシマリスが足元を行き来する様子がなんとも可愛らしかった。

カムイミンタラ、神々の遊ぶ庭と言われる大雪山。本当に溜息の出るような美しさ…

雲ノ平はこんな景観が続き、のんびりと歩きたいところ

断崖の底を流れる赤石川

きれいな円錐型の凌雲岳

生き物を寄せ付けないような荒々しさを感じる御鉢平

北鎮岳分岐にザックをデポし、ザレを登ること20分ほどで2244mの山頂を踏む。
その後すっかり雲の中となり、風も出てきた中を中岳、間宮岳とお鉢の縁に沿って歩く。中岳分岐の辺りであられが当たるようになり、じきに雪へ変わる。少しの時間だったが、久し振りの雪との再会に嬉しくなった。
分岐を旭岳の方に向かい、鞍部まで下るとそこが2日目の宿泊地、裏旭キャンプ指定地。テントは5～6張ほど。旭岳の直下に位置しており、山頂を仰ぎ見ながら翌日の天候に期待する。

北鎮岳から北西方向に連なる鋸岳、比布岳

どれだけ長い年月をかけて形作られたんでしょう…

裏旭キャンプ指定地。お月さんに照らされているように見えるのが旭岳山頂。

3日目に続く…