2014/07/27
2014.7.20-21 岩魚トレ
昨夏から渓流釣りを始めたSH。念願の初イワナは既に手にしたが、まだまだ手応えが足りないとのこと。ならばということで、岩トレならぬ岩魚トレを実施することに。登攀用具はなし、竿と酒が必須装備。
山越えで源流部に入り、そのまま沢を詰めて出発地点に戻る周回ルート。いかにもクマが出そうな山道を進むが、今回は「鈴要らずのSH」の異名を取る山行部長がいる。一体何頭のクマが先にこちらに気づいて離れていったことだろうか。
暑さにうだりつつ本流に降り立つ。SHは今回、餌とテンカラと両方の用意をしてきた。昨晩裏の畑で採ってきたミミズが活き活きとしている。まずはそのミミズで釣り開始。早速SHの歓声が響く。竿は折れそうなほどに曲がり、SHは膝を深く曲げ腰を折り、重心を低くして大物の引きをこらえている。しかし糸切れ。はた目には根掛かりにしか見えなかったのだが、そうでなければ70cm級のサケのような超大物に違いない。
それ以降ミミズには反応なし。ならばとこちらが毛針を振ってみるとすんなりとイワナが食い付く。尺近いものも数尾。条件が良いのか、なかなか手応えのある釣りとなる。それを見ていたSHもテンカラに切り替えるが、さすがにいきなりは上手くいかない。
ブナに囲まれた段丘上にタープを張り幕場とする。薪を集めた頃に強い夕立が来るが、重く濡れた薪でもSHが見事に着火。手違いでイワナ抜きの夕飯となったものの、持ち寄った食材と酒で焚き火を愛でる。直火で焼いたナスが甘い。ビールというのはどれだけ担ぎ上げれば足りるものなのか。
ちょろちょろとした火だったのか、明るくなっても焚き火は燃え続けていた。卵と玉ねぎで焼き飯の朝食。早起きのSHのお陰で6時過ぎには行動開始。
ここまでの水際まで森が迫った流れとは変わり、しばらくゴルジュが続く。水深が浅いため沢通しで進む。
テンカラを振りつつ進むが、やはりSHは苦戦が続く。気が急くのか竿を振るのが速過ぎる。竿を通して糸の重みが伝わる感覚がまだつかめないらしい。スキーとなれば板との会話を通して雪の状態を仔細に感じ取ることができるのだが。テンカラ竿はまだSHに語りかけないようである。
そんなSHの目の前で、こちらの竿をイワナがしならせ続ける。スキーの先生と生徒の立場が完全に逆転。尺超えも数匹。
さすがにSHも意気消沈したのか、竿をしまおうかなどと弱音をもらす。徐々に口数も少なくなってくる。渓に静けさが戻る。おそらくそれが幸いしたのだろう、SHの竿が大きくしなった。言葉にならない大声を発しつつも、緊張のためか棒立ちで竿をまっすぐ立てている。水面を割ったイワナはかなりの大きさ。苦戦しつつ何とか川原に引きずり上げ、両手でしっかりと掴む。
胴体を両手で持ってもまだ頭も尾もしっかりはみ出す。テンカラ初のイワナが尺物。やはり当会の山行部長は何かを持っている。高笑いが谷底に響き、鈴が再びじゃらじゃらと鳴り出す。それと反比例するように、イワナはまた沈黙の底へ。
昨晩果たせなかったイワナの刺し身を作る。朴の葉に盛った切り身がつややか。生のイワナの旨さに力がみなぎったのか、SHは妻の名を絶叫。快晴の夏の渓の爽やかさ。
竿をしまい、登りに専念する。難しいところはなく、いくつかある滝も楽しみつつ登る。かなり上までいたイワナが姿を見せなくなると水流も細り、倒木が増える。最後の藪こぎも大したことなく来た道に戻る。
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渓に木霊するSHの高笑いが聞こえそうです。TUさんの本領発揮というところでしょうか。私もその岩魚を食したいものです。
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