2019/08/22

2019.8.18 焼山

メンバー:NI KK
コース:笹倉温泉-林道第2ゲート~
タイム:第2G~登山口~大曲~地獄谷~泊岩~山頂~第2G
レポート:KK
焼山へやってきた

1974年(昭和49年)7月28日未明に焼山が突然噴火した。前日に泊岩付近でテントを張っていた千葉大生3名が巻き添えとなる事故が起きている。御嶽山の噴火事故の記憶も新しく、この山だって今この瞬間にド~ンと来るかもしれない。地球は生きているのだ。

お盆休みも最終日。休んでいる間は、あっという間に過ぎ去っていく。今日は、一度は行ってみなくてと思っていた頚城の焼山。7月にIHさんが登っており、記録を頼りにNIさんと向かった。朝5時、第2ゲート前には先行者の車が4台程。暑さを防ぐための早出なのだろうか。我々も元気よくスタート。ひたすら林道を行く。積雪期何度か訪れているので、おおよその土地勘はある。歩くこと1時間強、やっとシェルターのある登山口に着いた。

よく整備された登山道を進むと展望台。焼山と火打山が前方に現れたテンションあがる。そして大曲。焼山北面台地の上部が窺える。来季は再訪したい。その後登山道は、焼山の裾野を巻くように延びていく。勾配は緩く、ひたすらトラバース気味にどこまでも続いていく。そして、視界が開けると大きく抉られた沢に出た。遠目からも「荒れている」感が迫る。アルミの梯子、ロープが今にも沢に引きずり込まれそうになっている。恐ろしげだ。同様の沢を2本クリアーすると、登山道はまた緩やかになっていく。ちなみに、藤島玄著「越後の山旅」には、荒れた沢の記述はなく、このような状況になったのはいつの頃からなのだろう。それにしても、この登山道を管理されている方たちの苦労を思うと、その大変さが身に迫るようだ。

更に進んでいくと、登山道は沢筋に入り、金山との分岐に着く。分岐には、大きなザックが数個デポしてあり、遠くから刈払機のエンジン音が響いていた。おお、あの方たちが登山道整備をしている方たちなのだろう。感謝である。そして泊岩。まさかの名前通りの、泊まれる岩だった。ちょっと藪が濃くなってきた箇所を過ぎると、低木はなくなり、砂礫の登山道になっていく。荒々しい焼山が迫ってきた。ずりずりと足元が安定しない中、ついに淵に到着。すげ~!火山だ。溶岩ドームだ!

そこから山頂は遠く。火口を巻くように道は延びる。急な鎖場を乗り越えると、前方に笹ヶ峰、乙見湖を窺える。右手には金山から天狗原山の嫋やかな尾根を望むことができる。アップダウンを繰り返し、遂に山頂到着。ガスの切れ間から火打山、妙高山が姿を見せてくれた。山頂付近を散策後湯を沸かし昼食を摂る。山頂でゆっくりするのもいいものだ。

さあ、長い下山に入ろう。傾斜の緩い登山道を話しをしながら登山口に向かった。今度来るときは冬だ。北面台地を滑ろう。

展望台から焼山
この時はまだ元気だった
危険な沢を横断
その昔は簡単に渡れたらしい
そのままの名
泊まれる岩だった
海谷山塊
高松山と昼闇山
緑のトンネルを抜けると
大岩
ロープを伝い
迫る溶岩
山頂にて
金山~天狗原山方面
新潟県でもまだまだ行ったことがない山がいっぱいだ!

2019/08/16

2019.08.13-15 朝日岳、栂海新道

メンバー  :CH(SH,KHが朝日小屋まで同行)
コースタイム:
  <1日目>2:00十日町発 -5:00蓮華温泉5:30 
       -10:30花園三角点 -13:15吹上のコル 
       -14:00朝日岳 -15:00朝日小屋

  <2日目>3:30朝日小屋発 -4:20朝日岳 
       -4:50吹上のコル -6:50黒岩平
       -7:30黒岩山 -8:45サワガニ山 
       -10:30犬ヶ岳 -10:30栂海山荘

  <3日目>3:00栂海山荘発 -6:30白鳥山 -11:40親不知

北アルプスから海に抜けるルートがあるらしい、ということを知ってからずっと気になっていた栂海新道。山から海まで歩くとかロマンだわ~~というふんわりとした気持ちで計画したが、実際はなかなかワイルドな旅となった。

<1日目>
午前2時に自宅を出て蓮華温泉へ。メンバーは私、母、妹の3人。母と妹は朝日小屋まで同行する。
五輪尾根のルートを登ったが、思った以上に長い。そして暑い。花園三角点までの急登で、山リハビリ中の妹は止まりそうなくらいの速度で登っている。そこへトレラン3人組が下山してきて「上は日差し遮るものがないのでほんと暑いですよ~地獄ですよ~」と声をかけられた。今でさえこんなに暑いのに上はもっとなのか、と思ったら更に足が重くなった。
しかし予想に反し、樹林帯を抜けると風通しがよくなり涼しくなった。止まる寸前だった妹も復活したようだ。
花園三角点辺り 風が涼しい

雪倉・白馬方面

それにしても長いな…

吹上のコル手前 まだまだ登るぜ…
 10時間の奮闘の末、ようやく朝日小屋に到着。ウエルカムドリンクということでシソジュースをいただいた。おいしすぎて涙が出そう。
朝日小屋はご飯がおいしいと聞いていたが、本当においしかった。富山の山ということで刺身の昆布〆、白エビの甘酢漬けなど富山名物がいくつか。特に刺身の昆布〆がおいしくて感動。今度富山に行ったら買ってこよう。
夕日 妹撮影。私は爆睡中。
<2日目>
夜中に1人コソコソと起きて3時半出発。ここからは久しぶりの1人旅だ。ちょっとドキドキしながら歩き出した。
吹上のコルまでは昨日の道を辿り、蓮華温泉と栂海新道の分岐となる。大きな岩に「→栂海→日本海」と書いてある。
 少し歩くと湿原に出た。ここからしばらく黒岩平あたりまでは緑の多い湿原が続く。気温も涼しく最高!

ご来光
朝日に照らされる朝日岳



しかし今日の本番はここから始まった。黒岩山まではかなり快調に歩いたが、そこから先は暑さとアップダウンとの戦いだった。
7時頃にはもう直射日光がきつくなり、さらに湿原ゾーンも終わってかなり気温が上がった感じだ。それもそのはず、この日はフェーン現象で新潟県は大変な暑さだったようだ。
かわいい名前の割にめちゃくちゃきつかったさわがに山

振り返ると今まで歩いた行程が…
ヒーヒー言いながら栂海山荘に到着。11時前に山荘に着いたらその先の白鳥小屋まで歩いてしまおうか、と歩きながら考えたが、栂海山荘から見えた白鳥小屋があまりにも遠くて断念。次の日その道を歩いてみて、無理して来なくてよかったと思った。なかなか厳しい道である。よっぽど体力が余っているのでなければ栂海山荘をスキップするのは避けた方がいいと思った。

山荘は大きな部屋が二つとそれぞれに2階があった。私は翌朝早いということで誰もいない2階を使わせてもらった。2階は昼間は暑くてとても入れなかったが、夕方を過ぎると涼しくて居心地が良い。銀マットと布団、毛布が用意されていた。
またこの山荘で特に印象深いのはトイレである。テン場奥の藪に「キジ場→」という看板があり、「使用中」と書かれた板がぶら下がったチェーンがある。これが扉の代わりだ。その先に赤い鉄筋造りのトイレがあるのだが、壁はブルーシート1枚。床は金網で、真ん中にちょうど便器くらいの穴があけられている。荒めの金網のため下は丸見えである。いやいや、これじゃさすがに出るものも出ませんて~~と思っていたが、次の日になるともう慣れたもので、すっきりと出発することができた。
山荘前の景色

2階の部屋

思い出の栂海山荘
<3日目>
この日も気合を入れて3時に出発。暑さ対策での早出だったが、歩き始めるとすでに暑い。それに加えヘッドライトに羽虫が集まり顔にバタバタと当たっていくいく。最初から不快感Maxだ。
黄蓮の水場あたりでようやく日が差し始め、虫たちもいなくなった。それにしても黄蓮の水はかなり細く、今にも涸れそうだった。栂海山荘には水場がなく、最寄が犬ヶ岳麓の北俣の水場かこの黄蓮の水場となる。地図にもあるが、黄蓮の水は涸れることがあるらしいのであまりあてにしない方がいいかもしれない。

アップダウンに苦しみつつ、ようやく白鳥小屋に到着。ここまでくればもう安心、と思ったがそうでもなかった。小屋を1時間ほど下ったあたりから斜度が急にきつくなる。金時坂と言うらしい。足の筋肉フル稼働で下りきると坂田峠に出た。ドコモなら坂田峠で電波が入ると聞いていたが圏外。一緒に休憩していたご夫婦と「タクシー呼びたいね」なんて言っていたが、そんなズルもできなくなった。

その後尻高山を過ぎたあたりから風がなくなり、気温もぐっと上がった気がした。それでも無心で歩き続けると、入道山を越したあたりで木の間から日本海が見えた。と、同時に湿度2000%の熱風が…
地図によるとあと1時間足らずでゴールらしいが、もうやる気がでない…
やっぱり標高って大事だ…もう真夏に標高低いところ登るのはやめよう……
なんてネガティブ思考で歩き続け、ようやく念願の栂海新道登山口へ。

親不知観光ホテルで温泉に入り、妹に迎えに来てもらって回転すしを食べると、不思議なことに辛かった道のりのことはもう半分くらい忘れて、楽しかったなぁ~~ということばかりが思い出される。

でも、次また来るとしたら絶対に秋だ!!!!

2019/08/15

2019.8.10-13 薬師峠周辺の沢

8度目の黒部源流(うちスキー2回)。折立より岩井谷を経て薬師峠へ。野営場をベースに薬師沢の右俣と左俣を遡行。
岩井谷では2パーティーがいたが、薬師沢では他に誰もおらず。
巨岩累々の岩井谷、単独で5日分の食料と酒を背負いあげるのは少々くたびれる。薬師沢右俣は沢としては平凡、詰めのガレ場登りは背後の眺めを楽しみつつ。左俣はやはり趣深い。
しかしスキーで来るならば薬師岳山頂からの右俣滑降は魅力的。宝川ナルミズ沢も沢登りとしては右俣が快適だが、滑るとなると左俣が秀でる。やはり沢とスキーの関係はそんなところだろうか。


【8/10】7:35折立臨時P 8:40岩井谷橋・入渓 10:15鳶谷出合
    14:20大滝左岸高巻き 15:10高巻き終了 16:20幕営1980m

入渓後すぐのあたり、大岩ゴーロの予感

岩を乗り越えかいくぐりつつ

大滝手前はボルダリングに近い
右のルンゼから高巻き

高巻きの途中から上流側を


【8/11】8:00行動開始 11:10二俣2080m 13:40薬師峠野営場 幕営

巨岩ゴーロも続くが穏やかな渓相も



太郎平小屋方面その1

黒部源流方面

太郎平小屋方面その2

テントびっちり


【8/12】5:00行動開始 5:15太郎平小屋 6:10第三渡渉点・右俣入渓
    10:25水涸れ2450m 12:05登山道2800m 12:30薬師岳
    14:55薬師峠



薬師沢右俣は容易

谷間越しに黒部五郎

急なガレ場を300mほど登る

薬師岳山荘を横目に

薬師岳山頂より金作谷カール

空気が湿っている


【8/13】5:00行動開始 5:15太郎平小屋 6:15第三渡渉点・左俣入渓
    11:40北ノ俣岳 12:55薬師峠 14:00撤収 14:15太郎平小屋・Alc.
    14:35下山開始 16:30折立

薬師沢左俣の滝場の始まり


源頭より薬師岳方面を振り返る

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