2020/05/28

2020.5.28 読書三昧の日々 Ⅱ-6

書名:年報 わらじ
編集:わらじの仲間
発行元:わらじの仲間
所有者:KK

宝物

SNS全盛の昨今、紙媒体による報告書などがどんどん減っている。私もリアルタイムで配信される情報や山行報告を毎日楽しみにしている一人だ。だが、一昔前(この20年位前)は紙の活字により会の活動の内容を知ったものだ。個人の書き手による報告書、コラムなどは、文章の上手い下手を問わず味があり、その人なりの個性が行間からにじみ出ている読みごたえがある。日々の仕事の中、時間をやり繰りして編集、発行された会報、年報、通信をよむのが大好きである。

地元の人さえ、よくその名を知らぬ沢や尾根、峠を遡り、雪を掻き分けて山に入っている「わらじの仲間」。その記念すべき第1号の年報が手元にある。神田神保町の悠久堂で見つけた時の喜びを思い出す。記録を残すというかけがえのない行為を行った最初の一歩が、この冊子に凝縮されている。

コロナによる自粛も徐々に解かれ、少しずつ山に登ろうと思う。

2020/05/25

2020.5.25 読書三昧の日々Ⅱ-5

書名:コンサイス 日本山名辞典
編集:徳久球雄
発行元:三省堂
所有者:KK

お宝満載
三省堂というと「辞書」とすぐに頭に浮かぶのは、それなりの年代になっている証拠だろうか。一方、三省堂には書店もあり、当時(昭和の半ばころ)都内には数店舗直営店があった。田舎から東京に出て、アルバイトをするなら本屋さんと決めており、運よく三省堂書店神田神保町本店で働いたことがある。毎日が夢のような日々だった。更に、神保町と言えば古書店がずらりと並び、これが東京かと感慨に耽っていた。
時は経ち、辞書を片手にの時代は遠くに去ってしまった感はあるが、それでも机の隣などにあれば、なんとなくではあるがホッとしてしまうのは私だけか。

この辞典は、全国津々浦々の峠、山を網羅した貴重な一冊だ。山に行く前、行った後などページを開き悦に入るのもやっぱり俺だけか。




2020/05/21

2020.5.21 読書三昧の日々Ⅱ-4

書名:岳(全18巻)
作者:石塚真一
発行元:小学館 ビックコミックオリジナル
読んだ人:KK

気持ちが塞ぎっぽい時に
名前が、「岳」「穂高」「梓」とくれば、親御さんは山が趣味なのだろうとすぐわかる。実は私も双子の弟に「渓」と命名。小さい頃よく一緒に山や沢に遊びに行った。あの当時が懐かしい。市内に就職して間もない頃、ふと目に着いた「穂高」の看板。ラーメン屋さんのような、飲み屋のような。勇気を振り絞って入店。酒を飲んでいる方の隣でラーメンを食う。そして店主に笑顔を振りまき「山登りをしていたのでしょうね」と問うてみた。「おお!そうだ。君もか」と返答が来ることを期待したが、帰ってきた答えは「いや別に」とにべもない。かなりショックを受けた覚えがある。一概に、みんながみんな山が好きなわけではないのだ。

漫画は好きで、ビックコミックとオリジナルは欠かさず購入している。「岳」は毎回楽しみで、5日と20日が待ちどうしかった。最終巻はちょっと寂しかったが、山岳漫画の中では秀逸です。

2020/05/20

2020.5.20 読書三昧の日々Ⅱ-3

書名:空へ
著者:ジョン・クラカワー
訳: 海津正彦
発行元:山と渓谷社 ヤマケイ文庫
読んだ人:KK

どんどん引き込まれていく

平成もまだ始めの頃、ようやく浮草のような生活からちゃんとした?社会人になった私。田舎の職場は大らかで、入社3年目位の私に、3週間も休暇をくれた。そしてその休暇を使って初めての海外、初めての飛行機でネパールに飛んだのである。友人と二人アンナプルナ内院近くまでのトレッキングをした。異国の風景に魅せられ、多くの人がリピーターになる理由が分かった。旅はいろんなことを教えてくれた。行ってみなければわからないのである。

この本は、始めこそとっつきにくい感じがして、なかなかページが進まなかったが、読み進むうちにすっかり引き込まれてしまい、あっという間に読了したのである。公募登山、商業登山と言われ、ベテランでなくとも優秀なガイドに案内されヒマラヤなど各所の高峰に登頂できる時代になっている。しかし、自然はあくまで人間の都合に合わせてくれるものでなく、時に大きな代償をも払わなくてはいけない。登るジャンルは違うものの、私も謙虚に山に向き合おうと思った一冊である。

因み、訳者の海津正彦さんも登山家であり、白山書房出版の「山の本」にも寄稿している。訳同様本人の文章も暖かさを感じる文章である。

2020/05/13

2020.5.13 読書三昧の日々Ⅱ-2

書名:脱出記
著者:ラウイッツ,スラヴォミール
訳   :海津正彦
発行元:ヴィレッジブックス
読んだ人:KK

頼れるのは自分の足

人生、諦めてはいけない
人生60年余り生きてきたが、過去に理不尽な目に遭ったこともある。良かれと思ってやったことや、世間一般に正しいとされていることをしたのに、なんでそんなことを言われなくてはならないのだ、なんでそんな仕打ちを受けなければならないのだと。それが世間だと一概に割り切れずに一人涙したこともあった。(いつだったか忘れたが)

この本は、我が身の取るに足りない不満など、はるか宇宙の彼方に吹き飛んでしまう体験記だ。タイトル通り、酷寒のシベリアからインドまで、幾多の生命の危機を乗り越え、その結果自由を手にしたのである。人間希望を捨てずに、今やれることを必死にやる。コロナに負けずに毎日を過ごそう。

2020/05/10

2020.5.10 読書三昧の日々Ⅱ-1

読んだ人:KK
 
「アート・オブ・フリーダム」ヴォイテク・クルティカ著 山と渓谷社
「ザ・プッシュ」 トミー・コールドウェル著 白水社
アローン・オン・ザ・ウオール」 アレックス・オノルド著 山と渓谷社
「クライミング・フリー」 リン・ヒル著 光文社文庫

外国ものは翻訳者にかかっているのだろうか
歳と共に目覚めも早くなり、読書も進む。我が「松文堂」書店に頼んだ本が続々と入荷。

クライミング4部作。カタカナが多い本は苦手であったが、翻訳者の力だろうか、苦も無くどんどん読んでいった。何だか、自分でも登れるのではと錯覚してしまう。何となくの山スキーシーズン終了の今日だが、田植えでも終わり、コロナの規制が解かれたら岩登りに行ってみようと思った。今は本の山に登ろう!